ポーランド経済は1989年後半の体制転換の混乱の中でハイパーインフレに見舞われた。1990年の体制移行開始時の「ショック療法」によりハイパーインフレは急速に収まったものの、経済は大幅に縮小した。GDPは1990年11.6%減、1991年7.0%減を記録した。1990年初めの鉱工業生産が大きく落ち込んだ。国内市場では政府発注が縮小したことにくわえて、旧社会主義諸国間の貿易体制が崩壊したことに災いされた。
ポーランドの経済成長率は他の体制移行諸国に先駆けて1992年にプラスに転じた。その後、1990年代中葉から5%前後の成長を記録した。経済の好調は消費と輸出に牽引されたものであったが、供給サイドでも基幹産業への政府のリストラクチャリング資金の注入と外資の進出の増加が生産能力の拡大に寄与していた。
1998年のロシアの通貨危機に前後して、ポーランド経済の成長率は減速し始めた。2001年に入り、EU諸国、とりわけ最大の輸出先であるドイツの景気後退に影響され、経済成長率は失速した。その後、調整期間を経て、経済の回復基調は鮮明になってきている。
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